Publication date: 22 Jan 2024
国内データセンター内のAI向け電力推定を発表
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Japan, 2024年1月22日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、国内データセンター(DC)におけるAIサーバー向け電力キャパシティの推計値を発表しました。これによると2027年末時点におけるAIサーバー向け電力キャパシティは、2024年末時点の約1.5倍となることがわかりました。
生成AIの利用に関心が高まりAIサーバーの導入が進んでいますが、DC内におけるAIサーバーがどのように配備されていくのかについては、まだ不確実なことが多い状況です。IDCは、ユーザー企業によるAIサーバー導入について一定のシナリオを設定することにより、国内DCにどのくらいのAIサーバー環境が配備されるのかを、DCの電力キャパシティで推計しました。それによれば、ユーザー企業が、毎年最新モデルのAIサーバーを購入するという「積極投資」のシナリオのもとでは、2024年末から2027年末にかけて、AIサーバー向けのDC電力は約1.5倍になります。さらに2027年末時点のAIサーバー向けDC電力は、ハイパースケールDCの2~3棟分に相当する規模になることもわかりました。
AIサーバーは1台あたりの消費電力と発熱量が大きいことから、従来のDC冷却システムでは対応が難しいと言われています。今回の推計において、積極投資シナリオのもとでは、2027年末時点の国内DCに配備されるAIサーバー環境はすべて超高密度環境(サーバーラックあたりの電力が20キロワットを超える環境)となり、液冷方式などの新たな冷却技術の導入が進む可能性が高まるものと見られます。
IDC Japan株式会社 Software & Services リサーチマネージャーの伊藤未明 は「実際のAIサーバー環境は、同一DC内の通常密度環境と混在して設置される可能性があり、DC運用が複雑化する可能性がある。キャパシティ計画などの効率化および確実性の強化が求められる」と分析しています。
今回の発表はIDCが発行したレポート2024 年 国内データセンター市場における AI ワークロードの影響:電力、冷却、配備戦略 にその詳細が報告されています。本レポートでは、ユーザーのAI投資行動として慎重投資のシナリオにおけるAIサーバー電力の推計も行っています。また、AIサーバー配備のための電源システム、冷却システム、DC立地の条件についても解説しています。
(本レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>
国内データセンターにおけるAIサーバー向け電力キャパシティ: 2024年、2027年