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Publication date: 01 Feb 2023

カーボンニュートラルの実現に向けた製造業の企業間データ連携に関する調査結果を発表

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Japan, 2023年2月1日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、製造業の企業間データ連携に関する調査結果を発表しました。調査の結果、今後、国内の製造業において、カーボンニュートラルの実現に向けた、サプライチェーンにまたがる企業間データ連携が進むと、IDCでは予測しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)時代には、自社が保有するデータだけでなく、取引先など他社が持つデータを自社のデータと組み合わせて活用することで、より高い価値を生み出すことができます。そのためには、組織を超えたデータ連携が重要となり、多くの企業が参加するデータ連携プラットフォームが求められます。

製造業のデータ連携で今後、特に重要になる分野として、下図に示す「カーボンニュートラル」「生産計画の精緻化」「トレーサビリティ」などが挙げられます。中でも今後、取り組みが加速すると見込まれるのが、カーボンニュートラル実現のためのサプライチェーンをまたがるデータ連携です。

その主な理由の一つが、欧州などで進んでいるCO2排出量などに関する情報開示の義務化への動きです。GHG(温室効果ガス)プロトコル スコープ3基準に対応するには、自社製品の生産におけるCO2排出量を算定し、そのデータをサプライチェーンの他の企業と共有する必要があります。

企業間のデータ連携は、企業内のデータ連携に比べて実現の難易度が高いですが、上記のような規制強化をトリガーに、多くの企業が参加するデータ連携プラットフォームの構築が進むと考えられます。そのような先進事例の一つに、ドイツの自動車業界によるデータ連携基盤Catena-Xが挙げられます。Catena-Xは、欧州が推進するデータ連携基盤GAIA-Xに準拠しています。

日本以外の国/地域でこのような動きがあった場合、当該国/地域の企業と取引する国内企業にも対応が求められる可能性が高いです。国内企業がこれに適切に対応するには、国内でもデータ連携プラットフォームを構築する必要があるとIDCでは考えます。

IDC Japan株式会社 Infrastructure & Devices リサーチマネージャーの小野 陽子 は「国内では、欧州などに比べて、国レベルでのデータ連携基盤への取り組みが遅れている。日本政府および国内主要製造業は、カーボンニュートラル実現などに向けたデータ連携基盤の構築を急ぐべきである。また、各国/地域での規制強化の動きは、今後、コンサルティング、システム構築、ビジネスプロセスのアウトソーシングなど、ITサプライヤーに多くのビジネス機会をもたらす。OT(Operational Technology)分野の強化を狙うITサプライヤーは、このようなビジネス機会の獲得に注力すべきである」と述べています。

今回の発表はIDCが発行したレポート2022 年 国内データ連携プラットフォーム動向分析:カーボンニュートラルが製造現場を巻き込むデータ連携の起爆剤に にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、国内製造業におけるIoT(Internet of Things)への取り組みの動向、PLM(Product Life-cycle Management)とデジタルツインの連携、産業分野のデータ連携規格の動向、海外と国内のデータ連携プラットフォーム構築の進捗状況、カーボンニュートラル情報開示の法制度化が企業間データ連携市場に与える影響などについて分析しています。

(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)



<参考資料>

製造業のサプライチェーンにまたがるデータ連携で今後重要になる分野とその背景

Source: IDC Japan, 2/2023





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