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Publication date: 18 May 2023

国内エンタープライズインフラ市場予測を発表

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Japan, 2023年5月18日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、国内エンタープライズインフラ市場予測を発表しました。IDCでは、サーバーやエンタープライズストレージシステムで構成される国内エンタープライズインフラ市場について、製品分類、配備モデル、バイヤータイプなどの視点から予測しています。

2023年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比4.1%増の8,014億1,200万円と予測しています。2022年の国内エンタープライズインフラ市場はサプライチェーン制約によって積み上がったバックログ(受注残)の解消が進んだことから、前年比成長率が20%を上回る高い水準となりました。2023年は、バックログの解消に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって抑制されていた経済活動の再開や、延期されていたプロジェクトの再開などによって、エンタープライズインフラに対する需要が堅調に推移しプラス成長になると見込んでいます。

IDCではエンタープライズインフラ市場を、3つの製品分類に分けています。OEM(Original Equipment Manufacturing)が提供するOEM ServerおよびOEM Storageと、ODM(Original Design Manufacturing)が主にグローバルクラウドサービスプロバイダーなどの顧客ごとに設計/製造してその顧客に直接提供するODM Directです。製品分類別では、2023年の前年比成長率はOEM Serverが1.5%、OEM Storageが10.0%、ODM Directが8.4%となり、すべての製品分類でプラス成長を見込んでいます。

配備モデル別では、2023年の前年比成長率がNon-Cloudが1.9%、Private Cloudが2.5%、Public Cloudが9.0%と予測しており、エンタープライズインフラがクラウドとして配備される割合がさらに高まると見込んでいます。バイヤータイプ別では、2023年の前年比成長率はSP(Service Provider)が5.8%、Non-SP(非Service Provider)が2.3%となり、国内のエンタープライズインフラに対する支出は、2023年にサービスプロバイダーが一般の企業や組織を初めて上回ると予測しています。

2024年以降、国内エンタープライズインフラ市場は前年比でマイナス成長が続く見込みです。これは、主にOEM Serverにおいて出荷が大きく落ち込んだ2021年以前の出荷分の更新需要が減少するためです。2027年には出荷が大幅に伸びた2022年以降の出荷分の更新需要などによってプラス成長に復する見込みです。その結果、2027年の同市場は7,858億9,500万円になり、2022年~2027年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.4%となる予測です。

国内エンタープライズインフラ市場のセグメントによって成長性は一様ではありません。2022年~2027年のCAGRが市場平均を上回るセグメントは、製品分類別ではOEM StorageとODM Direct、配備モデル別ではPrivate CloudとPublic Cloud、バイヤータイプ別ではService Providerです。パブリッククラウドサービスの活用、プライベートクラウドへの刷新、as-a-Service消費モデルの普及といった要因によってエンタープライズインフラの配備モデルや購入者が変化し、国内エンタープライズインフラ市場におけるセグメント別の成長性に差が出るとみています。

IDC Japan株式会社 Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである 宝出 幸久 は、「ITサプライヤーは、自社の強みに基づいて成長セグメントや収益を確保し得るセグメントにおける競争力を強化すると共に、エンタープライズインフラ関連分野のエコシステムを強化することで、デジタルビジネスの成功に向けて顧客のITインフラの刷新に伴走するパートナーとしての地位を確立すべきである」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行したレポート「国内エンタープライズインフラ市場予測、 2023 年~ 2027 年 」にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内エンタープライズインフラ(サーバーおよびエンタープライズストレージシステム)市場を、製品分類別、配備モデル別、バイヤータイプ別の3つの観点から分析し、国内エンタープライズインフラ市場におけるエンタープライズインフラベンダー、システムインテグレーターおよびサービスプロバイダーに対するIDCの提言を示しています。また、国内x86 OEM Server市場のアベイラビリティレベル別の予測を提供し、国内におけるハイアベイラビリティサーバー市場のビジネス機会を考察しています。

(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)



<参考資料>

国内エンタープライズインフラ市場 支出額予測: 2022年~2027年

Note:    2022年は実績値、2023年以降は予測

Source: IDC Japan, 5/2023





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